自動記述/ぎよ
青いカラスがスパンコールをふりまく正午
哲学的な墓標がひとつかき消される
なにものも振り向かない
なにものも帰らない
卵殻めいた夜の翼を遥か彼方に望み
ガラスの帆船は破壊される
量子論的なレジスタンス
君には聞こえないのか
花崗岩の心臓に響くノクターンが
やめてくれ
私は去る者なのだ
青空の城壁は朽ちることなく微笑む
見たまえ
赤熱する鉄の羽をもつ蝶が愛のシーツを支えている
星は遠ざかり眠る
きみの接吻は私を透明にする
羊皮紙に記された恋人たちのささやき
しかし私は北斗の星を順々に辿り
きみを忘れなければなるまい
それはチョークの憂鬱
甲虫の青春
月面の薔薇
時のきらめき
人生の波頭
夏の唇
燃え上がる雪
ああなにもかも消えてしまう
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