強情/瀬崎 虎彦
 
意味を群青の空へ溶いていた
遮られて強くなったわけではないが
考えて足を踏み出すようになった
緑色の月が煙越しに見えている
感覚を板ガラスに這わせれば
素肌よりも重い真鍮の夜に
編上靴が雄弁に響き渡り
子供たちはもう寝に行く時間だというのに
覚醒に値しない世界にとどまりたいという
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