無題/
ぎよ
青色の抱擁は魚たちを悦ばせる
虹の香りのする雨には翼が生えており
燃え尽きた岩は昼の残滓に覆われている
さかさまになった噴水は幽霊のように回転し
地下鉄をふいにいためつけてゆく
妖精の爪を走るエロティックなヨットは
私の愛撫で夏の昆虫に変わる
銀河の唾液 夜の底の沈没船
なんと厳かな星たちの憂鬱
乳房の上の転轍機に弄ばれる案山子よ
私はお前の愚かさを愛する
決して眼には見えない雪が駆け下りてくる
私はガラスの森の中心で息絶える
北極星を指差したまま
戻る
編
削
Point
(1)