夢の淵/yo-yo
最近、おなじ夢をよくみる。
岩場に立っている。そこからどこへも行けない。見下ろすと深い淵がある。とても飛び降りられる高さではない。踏みだせば死ぬ。死の淵だ。そのような岩の上に立っている。
以前にも、そんな夢をみた時期があった。
どうにでもなれと、思いきって飛び降りてみた。夢は夢だけの手ごたえしかなかった。それ以後、そんな夢はみなくなった。
ところがまた、同じような夢をみている。
生きるか死ぬか、そこまで深刻なことではなくても、日常生活では、いくつも些細な選択を迫られるものだ。
先延ばしにしているうちに、いつのまにか未解決なものが岩の固まりになって、夢の中で積み上がってくる。というこ
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