夢の見える部屋/リンネ
 
れないのを知ったからでしょうか、太陽は小刻みに震えながらいつまでも笑い続けていました。」

――さて、見渡す限りの平らかな砂漠の一点で、あなたは、こちらを覗き込むようにして浮かんでいる一つの太陽と向き合っていた。不思議なことに、そんな灼熱の光景にもかかわらず、あなたは何の暑さも感じていなかった。

「夢の中のわたしは、なぜだかそのことに気づいていませんが、それとは別に、何か気まずい空気を感じているようでした。ビルや木々の凹凸のない空間。まったく、どこを歩いてもあのおかしな太陽に見下ろされてしまうのです。一度砂を掘って身を隠そうかと考え、試しに足元の砂を素手で掻こうとしたのですが、穴を作って
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