刻印/こしごえ
 




薄明の時計の刻む音は、
いつまでも初まりを歩み
エボナイトの光沢がにおう黒光り
遠い山脈は墨色に燃えて春の
おとずれをいまかと願う白日の、
足もとにも咲く花の。。
残雪へ便りを書く
(万年筆)自問してみるいま一度
書くべきことを(あおい血液、
、インクは伝わり、道をしめすだろう、か
空の青さよ
いまのいま、いまいまか、わたしにいまは
無い時
すべて
ひとつの輝く星は夜を待たず。。。。。。
いつも忘れていることがある
この目は仄暗く
白紙をみつめる
明けない夜をおもい出せない行間
明日の一行を書くのは宙をささえる骨
冷めた視線の無表情な空に

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