鈴/
もるびん
過ぎ去りし者
いたずらに口を開く
巨大な顎に砕かれた
鈴の記憶
役所の床で寝そべった
サフランの花は
風との摩擦で
わずかなエネルギーを蓄え
静かに明るい穴の見える
鈴の中へ潜り込む
不確かだが、その場所は
絶対的なその場所に
影の黒より黒くなり
うつらうつらと
うつらうつらと
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