嘘つきな僕と、君/ユーリ
 

僕の喜び、それは僕の嘘と悲しみでできている
指先だけじゃつかめなかったもの
君の存在はまぶしくて
手さえ伸ばすことをためらっていた

かすかな君の優しさも気付かないふりして
たっぷりと浸した陽だまりの中で笑うだけだった

僕だけが、最後を予感して
君だけを、忘れようとして

このままで、時間も止めて
それさえ打ち砕く君の手が怖かった
いつかは背を向けて、僕を消し去る君が
想像するだけで、震えた

くだらない
やめたい
だから

少しずつの“さよなら”が君に届くころ

僕は笑って君を、
君のさよならを受け入れることができる

だから、お願い
君はまだ笑っててよ

僕がいつか君を泣かせるまで、


(抱きしめた背中で泣いてるの、気づいてあげられなくてごめん)
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