墓標/ゆえ
 


どろりと濁った沈黙は
息苦しい熱を孕んでいる
ぽつりぽつりと見えるのは
白々しい墓標の群れ

太陽の乱反射が突き刺さる
コンクリートがぶすぶすと音を立てる
それは悲鳴に似ていた

不定形の意識が溢れ出す
重たく横たわる夏を切り裂いて

ああ、蝉が泣いている



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