エクリチュール/天野茂典
薔薇
ガラス
ライナーマリア・リルケ
薔薇の芽に刺されて死んでいった 破傷風の血
詩人はなぜうかつだったのか
薔薇(そうび)
汝病めりと歌った詩人もあった
薔薇
ガラス
生きてるものと死んだものが映しあう場所
『死ぬまで生きる』それしかない
地球は亡き詩人の魂を吸い込んでいる
緑色革命 詩人の成し遂げたものは多い
エポック・メイキングに詩人はあらわれる
薔薇よ
ガラスのように裂けないで
言葉の宇宙をもっとひろく探検しにゆこうではないか
薔薇はいつでも生きるものの味方なのだから
2004・11・13
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