味わう時間/
電灯虫
左手を添えなかったり
二回以上 大きく注意されたりで
ご飯は美味しかった。
年を跨いでいくほど
できる食卓の余裕と
ぶつからない箸が
食べやすさと
寂しさを残していったけど
ご飯は美味しくて
今までとこれからは 繋がった。
カチャカチャしながら
洗い場に収まる食器は
ご飯粒の数で個性を残す。
明日も明後日も
それがあり続ける限り
お箸で日々を刻むために
油汚れをキレイに洗い流す
面倒臭さを味わう。
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