自動記述/ぎよ
タイヤのような女が魚を孕む季節、虫取り網の中の蛾は踏切の重みに耐え切れず溺死する、太陽の中には恐るべき水族館があり毎日午前零時になると気の狂った天使が紫外線のオブジェを展示する、私は入場料を支払わなければならないので女を連れて美しい夕暮れを強迫する、そのせいで未来永劫朝が訪れることがなくなってしまった、とはいえ女は孕み欲望は放物線を描きながら緑色の戦争に笑顔をふりまいてゆく、ひまわりの種の往復切符が逆立ちすれば愛へと続く肉のトンネルが開通する、私は女の前にひざまずき雨のような愛をくれるように天の川の涙を流しながら哀願する、すると女の透きとおる乳房は燐光を放ち夏の訪れを告げる、唇は夜へ向かって静かに開かれ小雪の混じった吐息が涙に橋をかける、突然黒い光線が私を串刺しにし女は私に接吻する、星が一つ消える。
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