夕焼け/みぞるる
 

西へ流れる大気にあわせて
わたしの心もどこかへふんわりと
消えてくれれば
この夕焼けも青くは見えないだろう

乾ききった洗濯物は
だまったまま

昨日があって明日もある
その間でわたしは濡れたまつ毛を
この生温かい大気に揺らした

忘れることを
これほど優しいことだと
おもったことはなかった

彩られた雲の流れは
わたしの心の角を丸く撫で
そのしなやかさで
また同じ明日を連れてくる

何もかも
あいまいな輪郭線をもって
すこしずつ変わってゆく
あの雲が 赤い空に溶け込み
いつの間にか
いなくなってしまったように



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