隣の雨/
電灯虫
たれて
絵本や漫画を読むのが好きなのは
背中に感じる冷たさと
耳で拾う雨脚が暮れる
一休みの静けさだったんだ
と 気付く。
運動場に置かれた水溜りの上で
跳ねる水紋は 雨脚の程度が
小雨から中雨へと変化するのを教える。
強くなった雨の向こうでは
起きる出来事が覆い隠されていく。
秘密を増してく雨の中
休み時間間際に当てられた
タイミングの悪さに嘆きつつ
隣の雨に乗せて
涼しさを添え 跳ねるように
真っ直ぐと答える。
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