空ノ中町は1丁目〜5丁目まで/千月 話子
地下水脈が耳の下でゴウゴウと鳴り響く夜明け
なんか起こりそうで
境界線に住む「鳥居」さんは
背中がムズムズと 引き裂かれそうに熱くなるのを感じ
家の窓を全部開け放って その時を待っていた
夜勤明けの町の警備員「飛田」さんは
居間に家族全員を集めて 部屋においてある
テーブルや椅子や家具を他の部屋に押し込んで
皆で車座になって しっかりと手を繋いでいる
1丁目の住人は第6感が強いので 急いで
2丁目の住人に 山の上へ集合をかける
3丁目の日野工学博士が 4丁目の発明家である耕作さんと
話し合い 住民に冷静を呼びかけなが
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