梅雨/
アヤメ
もう梅花もそのひとりごを嘆く頃
陰鬱な空から出発への涙がもたらされる
皐月と文月の橋を取り繕い
ただその涙に濡れるひとりごよ
育ち切った不幸は青い毒に
生まれたった刹那の風邪に乗り
遠く香った初春を
ただノスタルジアに置き換えて
君は行くのか
漬物とシロップと 消えていくアルコールの
ひとときの夢へ
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