雨色の部屋/
朧月
雨はずるい
ひとつぶは冷たくないのに
大勢でかかって
すっかり冷やしてゆく
いつのまにか
私のカラダは冷え切ってしまった
だから
あなたの存在が
唯一のヨリドコロにおもえて
私はおもわず
ドアを開けてしまったの
あなたと一緒に
雨の雫がこの部屋に入ってくるのを知っていて
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