最愛/yumekyo
 
賑やかな桟敷から 
夜の鴨川に淡い光が落ちていた 
しっかりと握っていたあなたの腕には 
かすかな傷跡があった 
生まれ故郷の北陸の古都から  
ひとりで背負ってきたものだった 
一緒に背負うと 
決めたものだった 
話を聞こうとすれば 
あなたは急いで 
何もかもひとりで背負い込もうとする 
今はあなたの隣の人と 
委細構わずShareすればいい 
そのうちにあなたの決めたことの 
一応の総括が出来る日が 
朝の光とともに 
突然にやってくるから 
きっと 
あなたの街も 
梅雨の晴れ間で 
同じ月が 
見えているだろう 
あなたの隣の人が 
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