空についての四つの短編/石田 圭太
 
りの一面に
それでも打たれるものそれぞれに
どこにもかしこにも平等に
降っている事は決してない







どこを向いても地平線しか見えないところがあって
沈みかけた夕日に
幾重にも幾重にも青いカーテンが被さったら
想像通りの夜になる


何光年も遠くから来た光が
その時そこにある
その時になってやっと使える
言葉に羽をつけてみる


ところがどこにも行き場がないので
最終的には送信boxの
空にする
ボタンを押す







何かに答えたくて
とても小さな階段を
駆け足で
一段飛ばしした


ひとつ
だけもらった
使いかけの鉛筆を
出来るだけ
小さな
箱に仕舞い
わずかな時間で
確認した


あの小さな子供の持っていた
あれは
あれは何ていう季節だろう





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