文字の船に乗って/朧月
 
ぎゅっぎゅと十本の指で
つくりだすお料理
言葉だってそんな風に
指を丸くするでしょう

にぎった鉛筆
注がれる瞳は
まるで文字になる想いを
食べるようでしょう

夜とそれ以外の時間の空を
別人のようだとあなたは
遠くを想う

悲しいときの流れはだれにも
とめられないとしても
漂う夜に

綺麗な星にも
悲しみがあるなら
ひかりは涙なのかもしれないね

ぎゅっぎゅとつくる
お料理はあなたの
心へ直におりて
明日への船になる


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