硝子/透明な魚
現実なんてひとつの夢でしかない
硝子の瓶の色は青
その一辺を叩いてみる
そう
僕は瓶の外で無くて
瓶の中でもがいている
瓶の外はブルー
そんな意味で色が重要でないことはわかる
現実なんて沢山の夢の中の一つでしかない
其の人は助けを求めている
沢山のレバーが有って
それぞれが順に作動すれば全ては解決して
其の人は助かるケド
其の人は其れがわからない
僕は解るのだけど
瓶の中からでは声は届かないし
其の人から僕の姿は見えない
世界は断絶されていて
其れは昨日と今日よりもはっきりと僕等を分かつ
現実にあって夢に無いもの
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)