高台へゆこう/高橋良幸
 
び電子化され、脊髄反射の言葉となって
まとまりかけていた誰かの一文を分裂させる
肩が凝り、目やにもひどい
坂道だ
高台を探しているいまでは
皆の考えによけいな塊が付いているようで
同位体のように崩壊していく

手を止めなよ
頭を冷やし
吐息を封じ込めろ
めざすのは坂の上だ
薄暗い部屋で
にじんだピクセルをわきに置いて
静かに考える
まとまった文を声に出し
耳で聞いてみる

17時の鐘は鳴った
電燈が灯り
あなたが帰ってきた
今夜は冷たいご飯?
それとも温かいご飯?

おやすみ、
また明日
てんでばらばらに
高台へゆこう
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