「名」馬列伝(21) トミシノポルンガ/角田寿星
ぎ合いを尻目に、まとめて差し切っていく彼の雄姿を。ここに勝って、今秋のG1戦線の最大の惑星として彼は一躍躍り出るのだ、と。
これは10年前の毎日王冠の再現である。素晴らしいレースだったが、父は健闘むなしくミスターシービーとカツラギエースに競り負け、中央挑戦の夢は散ってしまった。今、彼こそが父の無念を晴らすのだ、と。
ビワハヤヒデが1番人気で1.2倍、ウイニングチケットが2番人気で2.8倍。彼は3番人気だったが、オッズはずっと離れて32.6倍だった。今から思うと妥当な評価である。
レースはビワハヤヒデの勝利。ウイニングチケットにずっとマークされながら直線では突き放す横綱競馬で、着差以上の完
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