「名」馬列伝(21) トミシノポルンガ/角田寿星
 
この年のオールカマーは、昨年のクラシックを賑わせた3強の2角が久々に直接対決するということで、大いに盛り上がった。
片やビワハヤヒデ、前年の菊花賞馬。抜群の成長力で春の3戦を全勝し、春天皇賞でライバルだった皐月賞馬ナリタタイシンに影を踏ませず、ライバル不在の宝塚記念をぶっちぎった。
片やウイニングチケット、前年のダービー馬。有馬記念の惨敗から長期休養後、捲土重来を期する。休養明けの高松宮杯では5着と失速し、明らかに順調さを欠いているが、まだ勝負づけは済んでいなかった。
ライバル同士の激突は、果たしてどちらに軍配が揚がるのか、競馬ファンの興味はそこに集約された。

一方で、もうひとつの興味
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