風ノ前ノ塵ニ同ジ/岬かおり
 
毎夜繰り返されるセルフジャッジ

判決はいつも有罪

「お前を風葬の刑に処す」

必死にあがいてきた炎

風ノ前ノ塵ニ同ジ



意味付けがしたいんだって

確固たる何かを以って

灰の一粒でも

胸を張っていたいんだよって



意味意義価値理由自問自答

頭の中のみのもんたは

いつまで経っても問うてこない

「ファイナルアンサー?」



見つからないだろう

暗がりの中

不安だけが目につくだろう



それでもこの心臓は

一つ鼓動を叩く度に

世界に存在を刻みつけていくんだ



産まれ出た瞬間に産まれ出る

意味も意義も価値も理由も綺麗も醜いも



だからまだ

絶望を語るのはやめておこう



風に吹き上げられた塵だって

光を浴びて空の青の中で息づいているんだ



微弱な物にこそ宿る魂の強さを

あなたが知っている と

何度でも

私は知りたい
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