彼女/蒼木りん
胸に溜まり続ける不安に急かされて止まらない
話を聞いてもらいたいだけの寂しがり屋の女と付き合うのは
実は
私にとって
楽だったかもしれない
深夜ふらふら遊び歩いた
面倒見がいいふりだったのか
寂しいおもいをしてきたから寂しい人の気持ちがわかるのか
声は
忘れずに掛けてくれた
160Kmのスピードではしゃぎ
私に恐怖を味合わせてくれた
どこへでも行った
彼女
死んでないかしら
最後に逢ったとき
病気でずいぶん痩せていた
恵まれているけど自堕落な男と
祭りの街を歩いていた
私も婚約者と来ていたから
それきり
いつ死んでも構わない
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