日常劇場/電灯虫
冷蔵庫を開けて 牛乳を探す。
パックの底が反抗して牛乳が漏れていた。
紙でできた冷蔵庫に滲みこんで
床まで白くなっていく。
足元までせまってくる白い波に
足の親指たちが浸りそうになった
まさにその時
相性がいい卵をお尻につけたひよこたちが
颯爽と冷蔵庫のドアから飛んできて
牛乳と和解してくれた。
振り返りざまに和解金の代わりに
コーンを要求してきたので
とんがりコーンで一部を支払って事なきを得た。
いたずら好きなMY車は
今日も鍵穴を隠していて
くそ忙しい朝に限ってするもんだから
KYも塩梅が大事だと運転しながら説教した。
けれども
クラクション鳴ら
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