浮浪者/
小川 葉
いつのまにか
えきまえのふろうしゃのひとが
いなくなっていた
そのことにきづくまで
わたしはさまざまのことを
かんがえていた
かんがえるだけで
いなくなることができるひと
わたしもほかのまちへ
いかなければならない
わたしよりもさきに
いなくなっていた
ふろうしゃのひと
あたりには
そのねどこの
おもかげさえもない
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