ナイトジャスミン/未有花
 
窓辺に頬杖ついてひとりぼっちの夜に
どこからか漂う甘い誘惑
私の胸はざわめいて夜を彷徨い始める
忘れていたせつない愛が今宵蘇る

白い花に抱かれながら
失くした愛を嘆き続けるわ
あんなに深く人を愛したことはないと
あまやかな痛みに震えるの

ナイトジャスミン
愛に裏切られた夜は
泣いて泣いて朝まで涙が枯れるまで
悲しみに溺れてしまいたくなる

明るい太陽の下では忘れられたまま
人知れず夜になると咲く花は
そのあやしげな香りで私を縛り惑わせる
忘れていた悲しみの夜がまた訪れる

白い花をみつめながら
ひとりきり愛を偲び続けるわ
もう戻らない幸せだったあの日々
ささやかな通夜をしてあげるわ

ナイトジャスミン
愛を葬った夜は
甘い香りが夜通し私を苦しめる
悲しみを忘れさせはしないと

咲き誇る白い花びら
また今夜も嘆きの夜がやって来て
この頬を涙で濡らすの
悲しみは終らない永遠に
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