またたき/田園
灯台の見える海を背景に
私は大きくなりました
ぶくぶく泡が沸いて
片栗粉が溶けているみたいにとろとろした
波に遊んで
私は大きくなりました
二十七の私は他人に後ろ指を指されています
小さい時
魔法みたいだった地球が狭くて泣きそうです
でも
だからこそ
私は愛を知りました
労働後の一杯の確実さを知りました
家族の老いのスピード
私の焦りの方向
今私は玄関に立って
いってきますと
戦場へ向かう途中です
戦場には人殺しだのオーボエ奏者だのがひしめき合って
皆が怯え
またたいています
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