ひだまり/A.Yusa
今を、少しばかり悔いている
嗚呼、あの時に
なんて…
君の前の、今ある僕は上手く笑っているのだろうか?
その笑顔は君の満足のゆく物なのだろうか?
優しく、非情に陽は傾いて行く
僕はいつも君より一歩先
西を目指して歩く
今は遠くなってしまったが
二人肩を並べて東を目指したことも
初めて出会った時、君のその肩越しに太陽が生まれるのを見たことも
とても善い思い出として、今も心に刻まれている
夏が、静かに沈み行く
僕は、君の一歩先
西日を抱いて沈み行く
いつか君の窓辺に枯れない花を咲かせて、君の笑顔を抱いて沈もう
君の笑顔が
僕の隣に飾られて、初めて二人の物語は終わる
今日が終わりではなく、二人揃って永遠を得た日に
終わるのだ
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