ガラスの城/TAT
 





俺は今日も理由も目的も展望も持たない野良犬だった

のようだったと書かないのは比喩でないからだ

一生懸命ローソンの駐車場で数十分かけて書いた詩は

肉球でたどたどしく携帯の下書きメールに保存しておいた詩は

さっき確認したらきれいさっぱりガッツリ消えていて

『名前を付けて保存』を押下しなかった俺がきっと悪いんだろうと思う

がしかし運命論フェチの俺としては

何かこうニヤリとしてしまった

というのも

その詩はガラスで組み上げた壊れやすい城について書いたものだったからだ

たった数時間前に自分で書いた詩に違いはないが

『ガラス
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