社会というセカイ/平沢ちはる
 

キミに預けし その華は

彼国までの片道切符

うねり 高まる 汽笛に

白き可憐な華を挿し 期待に胸を膨らませ

キミは今夜旅に出る


私の想いの華を胸に


今までの記憶は

安息なる世界への住民権

今までの悲しい記憶は

安息への貢ぎ物

人としての想いと引き替えに

キミは何も考えない匣となる

それが幸せだと信じ

それが安らぎだと信じ


キミに預けし 白き華は

匣となる為の委任状


只の肉と化したとき

その瞳に写るのは 希望なのか

絶望なのか

幸福なのか

哀しみなのか

喜びなのか

諦めなのか


カオスと成り果てた社会に 只存在するだけならば

キミのように 只肉に 私になりたい
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