過ぎる季節/
寒雪
新学期もだいぶ昔の話になった
はにかんだ太陽の
頬の赤さで温まった公園で
突き抜ける青さをどこまでも
視線で追いかけるぼくの
穏やかでない心を
春の風が忙しく通り抜けていく
帰る家もないだろうに
急いで立ち去っていくなと
すでに姿形もない
春の痕跡を探そうと
短くて見えない首を
右に左に
そんなぼくの背後に
意地悪く初夏が忍び寄っていた
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