硝子の街で/智鶴
奇跡が起きるなんて思ってないし
僕は君を愛さないし
何かが変わることにも期待してないよ
ゆれるよ
ゆれるよ
奇跡の入ったグラスの中で
溺れる君の心臓が
ほんの少しだけ嘘を吐いた
僕は君にはなれないし
真似することも出来ないし
君の望む世界があまりに美しくて
僕はそこに生きちゃいけない
僕の片目と引き換えに
腐った呼吸を許してくれる?
君が意識を戻したいなら
僕の世界を壊してもいいから
ゆれるよ
ゆれるよ
割れたグラスによく似た世界を
わざとらしい偽物の君が
僕に傾けて少し笑った
今さら君なんか愛さないよ
もう何も欲しくなんかないよ
指先を切り落とせば
キミダケナラワラッテクレルノカナ
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