下方修正だけの人生/はだいろ
 
で、
東大も夢じゃないどころか、東大しか大学ではないくらいに思わされ、
塾にも通わされ、
でもぼくはカンニングばかりしていました。
ぼくは思うのですが、大事なことは、
困難な事態や、絶体絶命のときに、
どうすれば助かるかということであるならば、
自分で考えて答えが出せず死ぬよりも、
答えを出せる友達を頼ったほうがいい。
東大の試験に通りたいのなら、
東大の試験を解ける友達を、会場に持ち込めばよいのである。
そして、
ぼくはいつでも、答えが出ないことだけを考えていよう。
そういうふうに誓ったのです。
数学の200点満点中8点の答案用紙の前で。
つづく。





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