夜に下がる風鈴/
朧月
無表情な夜の空の
下に風鈴がさがる
いってしまった祖父がつりさげて
忘れられた風鈴がある
夏でもないのに
でも冬にもあった
そんな確認はいつも
悲しいとき
風鈴は祖父のことも
だれのこともきっと
忘れているだろう
それでも同じ音なんだろう
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