ひとでなしという 素敵な言葉/るるりら
 

川原で
宮川大助師匠のような顔をした生き物を見た
って 言って良いのは 花子師匠だけかもしれないけれど

ずんぐりむっくりとしたケモノだった
大きさは 犬と猫の中間くらい
川原を まんまるな物体が のっそのっそと移動する
茶色の毛皮
ホースのような尻尾をひきづりながら
耳は短い
おおきさに目を奪われるけれど、全体のシルエットだけを見ると
ネズミのような だけれど お顔は大助師匠

タクシーに乗り運転手さんに問うてみる
しずかだった運転手さんの意気があがる
みんな人の世界のことだけを思っていたのじゃあなかったんだね
嬉しくなる

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