うたたね/mugi
 
{引用=

おともなく
とりがおちている
水色の
ふちの欠けたバケツに
吸殻を捨てる
おわった花火が
ひたされている

夏は、ここで
行き止まりだった







、、







やがて
警笛がならされる
とりたちが
みなみにむかって
とびたつ

そらがいっせいに
毛羽立って







、、







     格子窓から、はちみつのような陽光がしたたり
それが彼女のほそい髪にふれると、稲わらのかおりがした、
大通りのむこうの、テレビ塔よりもずっとみなみの豊平川
をこえたあたりか
[次のページ]
戻る   Point(20)