うたたね/
mugi
{引用=
おともなく
とりがおちている
水色の
ふちの欠けたバケツに
吸殻を捨てる
おわった花火が
ひたされている
夏は、ここで
行き止まりだった
、、
やがて
警笛がならされる
とりたちが
みなみにむかって
とびたつ
そらがいっせいに
毛羽立って
、、
格子窓から、はちみつのような陽光がしたたり
それが彼女のほそい髪にふれると、稲わらのかおりがした、
大通りのむこうの、テレビ塔よりもずっとみなみの豊平川
をこえたあたりか
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