三丁目南バラ公園/テシノ
 
と思う
何年もかけて私達は
もうすぐあの公園に着く

かつて
二人が埋めたものが芽吹いたかのように
咲いていた
揺れている
風だ
いつかのさよならだ
今ならば言える
空は広いというように
海は深いというように
もう二度と私は
この肩の向こうに飛行機雲を見ることはない
だから今は丁寧に
その雲の行方をたどる

咲き誇るバラは一際赤く
群青の空に染み付くように
真っ赤な嘘よと手を振りながら
またいつかねと風に言う
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