デパ地下/和田カマリ
影のない陽光を
乱反射させている
柳のような
黒い葉の茂る
背の高い木が
見えている
窓を開けても
風は感じないが
それら木の葉は
ジリジリと
動いて見える
大きなカラスが
1羽
2羽
次から次に
枝に止まった
ボトボトと
何かが落ち始める
1本
2本
次から次に
人生の不合格を伝える
テレグラムのように
カエル好きな
無慈悲な彼ら
同じ味なので
鳥肉もまた
嬉々として
食すのだろう
巻きつき
噛み付き
毒を飛ばし
絡み合いながら
SEXをする
死んだ剥製の
カラスとまぐわう
不届き者もいる
もう
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