Loneliness/寒雪
交差点からあてもなく走っていく
駄々をこねるクラクションや
雑踏のアスレチックをクリアしながら
器用に行きかう明日の旅行話や
聞きたくもない喧騒の緩やかな渦が
オープンカフェのテラスで
テーブルにジャスミンティーを置いて
何者かを気取った私の元で
やけにテンポの速いワルツを踊る
私の手首にいつでもくっついてすっかり家族のつもりでいる
使い古しの腕時計の針が網膜の周りに取り付いて
短針と長針がだまし絵を演じながら右回り左回りと素早く回転する
鼓動にシンクロしようとする針の動きに右脳がついていけなくて目の前にあるテーブルの美しい木目さえ
校庭の隅で腐ってしまってい
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