初恋/小川 葉
まったんだろう
はじめから
うまれたときから
はなればなれだったのに
おやもきょうだいも
はじめから
そのきょりを
ちぢめたりとおざけたり
しながら
ひとはひとに
よりそうことでしか
いきていけない
+
「がまがえる」
ふと
さみしくなるのだ
よぞらのほしを
みあげると
あれがわたしの
ともだちなのか
あめがふると
がまがえるがなく
それくらいに
とおいこえとして
+
「初恋」
はつこいは
はつこいのまま
おわってしまった
おたがいの
よわさをみつけられずに
つよさばかり
みせつけあって
わざわざ
おかのうえで
まちあわせた
そこからみえるけしきに
みをなげることも
できずに
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