通院/小川 葉
ははにてをひかれて
いえをでていく
ぼくがかぜを
ひいたことにして
びょういんへ
びょういんには
ここちよいくうきがながれていた
まちあいしつで
いきてることやしについて
はじめておもうこともあった
しんさつしつにはいると
ますますげんきになる
ははとむすこだった
かえりみち
いつものデパートで
はははようふくうりばで
ぼくはおもちゃうりばで
かえりのバスがくるまでの
それぞれのじかんをつぶした
ようふくも
おもちゃもかったけど
ほんとうにほしいものは
いつまでも
そこにはなかった
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