テンオアラの嫁/リンネ
 
には一升瓶ほどの大きさをした自分の妹が走り回っており、からになったわたしのコップにビールを注いでくれる。



見えるだろうか。空から何か黒くてたわしほどの大きさの生き物が、五六匹の集団で落ちてくる。大きく羽を広げ、羽ばたきながら、速度を緩めて生垣の中へ消えた。わたしは集合住宅の前に立っている。建物に入り、一階の二号室のドアを開ける。男が食事を取っていた。どうやら自分の知り合いらしい。わたしの後ろから、近所のおばさんらしき人物がついてきていて、何かいろいろと文句を述べ始めた。男は不機嫌そうにしてそれを追い返す。「今、家の前にいたら、空から人間みたいのがたくさん落ちてきた」とわたしは言うが、当然、さっき落ちてきたのは人間などではないはずだ。







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