櫂を漕ぐ/電灯虫
 
ぐ。
大きな間を取り 鯨のジャンプで打っているリズム ゆったりとして僕は好き。 
2頭の鯨が作る 開いた世界の穴に向かってできている海流
世界が生まれ変わるために 穴に向かっているとしても
今から穴の向こう側に新たに生まれようとしているのだとしても
どちらも納得できる。


表面が滑らかで 弾力がありそう。でも触ると硬いんだろうな。
櫂を使って 岸辺に向かって漕いでいたカヌーの穂先を変える。
親や兄弟は怒って止める。もう穂先は穴と鯨に向かっている。
海流に乗って櫂を漕ぐ。
晴天の下 巨体を増してく鯨2頭が背面飛びを行っている。
比べて1つの点な僕は 一生懸命に櫂を漕ぐ。

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