水サイド/魚屋スイソ
「水にならなければいけない、氷になるため、黒い液体の注がれた水槽に、地球は浮かんでいて、回転すると、ぬれた部分が夜になるから、ここで、産んでもいないのに死んでいて、生まれてもいないのに殺されていて、わたしは、泣いてもいないのに」
サンズイに夜で液、これを考えたやつは天才だとおもったけど、ぼくらはイメージにひっぱられすぎていて、あしのうらをねばつかせたまま、モチーフだけを氾濫させて、さらわれようとするから、飽和できずに、ぬれ続けるしかない
おやすみ、おやすみ、おやすみ、ほんとうにそれは、溺れる合図なのだろうか、安易に泳ぎたくはないけど、沈むことを正しいともおもいたくはない、夜とうまくつき
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