プロローグ/きりえしふみ
 
きみの投げた小石の波紋は小さい……のかも知れない

ぼくの発したひと声は
きみにとっては不可解……な言葉なのかも知れない

輝ける明日なんか来ない……のかも知れない

きみの涙はたったひとつの命さえ救えないのかも知れない

(始まりは いつも そんな微々たる可能性、ビビッドから……だった……)

忘れてしまっているのかい?
きみもぼくも……ぼくらは
もがいてきて良いと言われてきている
きみもぼくも……ぼくらはもっと
泥んこになってきて構わない、と
言われて放たれた矢 (過去やら 祖先や 歴史から)
真剣にやって来ていい、と
正々堂々真正面から戦って転んで来いよ、
[次のページ]
戻る   Point(2)