プロローグ/きりえしふみ
きみの投げた小石の波紋は小さい……のかも知れない
ぼくの発したひと声は
きみにとっては不可解……な言葉なのかも知れない
輝ける明日なんか来ない……のかも知れない
きみの涙はたったひとつの命さえ救えないのかも知れない
(始まりは いつも そんな微々たる可能性、ビビッドから……だった……)
忘れてしまっているのかい?
きみもぼくも……ぼくらは
もがいてきて良いと言われてきている
きみもぼくも……ぼくらはもっと
泥んこになってきて構わない、と
言われて放たれた矢 (過去やら 祖先や 歴史から)
真剣にやって来ていい、と
正々堂々真正面から戦って転んで来いよ、
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