四駅を越えての内部崩壊。/かのこ
 
駅までの道を歩く
歩く
足の裏
からだを動かすと汗ばむくらいの陽気になるでしょうそのなかで
あたたかな陽射しをいっぱいに浴びて
まぶたが少し、ひらひら
眠っているような感覚が続いている
歩く
大阪方面のホームはアナウンスが女の声で
北千里方面のホームは男の声
知らない人・知らない人・知らない人
目が泳ぐ
早く電車が来たらいい。目が泳ぐ

身体がばらばらになっていく
かたく重い
それはずっと昔から突破したかった膜
歩く、止まる、このタイミングで、
目線、座る、置く、
このタイミングで、閉じる
それはずっと昔から突破したかった膜

座って普通の人間の格好して
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