エニー・エンター・キー/mizu K
 

エニー・エンター・キー ver. 1

ヤン(yan)とレトネ(retne)の、鍵(key)にまつわる話

ヤンが朝起きると虫になっていなかった
のでごく普通の朝であった
レトネはまだとなりですうすう寝ている
ヤンはベッドからごそごそ降りるのに
床をかるく足先でだいじょうぶか確認する
この部屋はときどき伸び縮みする
床も数十センチ乱高下していることもあり
ヤンは何回かベッドから転げ落ちたことがある
あの階段を一歩踏みはずしたときに似た感覚は
何度経験しても口からなにか飛び出そうで

まあボリス・ヴィアンの小説ぽくておもしろいんじゃないのー
そう言ってレ
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